長野県北安曇郡白馬村に位置する「八方池」。
標高2,060mの尾根沿いにある ” 白馬三山を映す天然池 ” で美しい山岳風景を望めるスポットです。
また、初心者の方も十分に楽しめるトレッキングコースも整備されています。
この記事では、「八方尾根・八方池」のおすすめ登山時期・コースから特徴、楽しみ方、服装、ツアー・周辺の温泉宿情報までご案内いたします。
「八方尾根・八方池」特徴は?
(八方池と白馬三山の絶景)
●「八方尾根・八方池」主な特徴
・中部山岳国立公園の一部。
・多くの高山植物やライチョウなども生息。
・「植生の逆転現象」を見れる地帯。
白馬連峰・唐松岳から四方八方に尾根が延びていることが名前の由来となった「八方尾根」。
「白馬八方池」は、唐松岳に向かう尾根沿いにあり、雪に押し出された土砂が堆積し雪解け水や雨水が溜まってできた最大水深4.4m、周囲長180mの自然が創り出した天然池です。
(幻想的な雰囲気の八方池(朝))
標高2,060mに位置する中部山岳国立公園の一部で、八方尾根固有の高山植物やサンショウウオなども見られます。
また、八方尾根には特別天然記念物「日本カモシカ」「ライチョウ」も生息しており、「植生の逆転現象」を見れる地帯でもあります。
一般的に中部山岳地帯の森林限界は標高2,500mからとなっており、通常ですとこのラインから高い樹木が少なくなり高山植物が咲きます。
しかし、八方尾根では標高1,680m〜2,060mの比較的低い場所で高い樹木が減少し高山植物が見られることも特徴的です。
そして、標高2,130m付近から背の高いダケカンバなどが現れ、標高2,350m付近で森林限界となります。
この珍しい「植生の逆転現象」は、超塩基性の蛇紋岩の地質が要因のひとつと考えられています。
「八方尾根・八方池」おすすめ登山時期
(八方尾根 左上:クガイソウ / 右上:シモツケソウ / 左下:ハクサンシャジン / 右下:タカネマツムシソウ) |
●高山植物 × 緑溢れる夏景色
→「7月~8月」
・7月でも八方池に雪が残っている場合あり。
・八方尾根では約340種以上の高山植物が自生している。
緑が色濃くなり高山植物の最盛期を迎える夏。
八方尾根では固有種も含め約340種以上の高山植物が自生しており、色とりどりの花と爽やかな風が気持ちいい季節です。
●「八方尾根・八方池」主な高山植物
ハッポウ タカネセンブリ |
ハッポウ ワレモコウ |
ハッポウ ウスユキソウ |
ハッポウ アザミ |
チングルマ |
キンコウカ |
ニッコウキスゲ |
イワシモツケ |
クリンソウ |
タカネマツムシソウ |
(八方池 紅葉と白馬連峰を望む風景)
●紅葉の山岳風景
→「9月下旬~10月下旬頃」
●紅葉 例年の見頃
八方池周辺 | 9月下旬~10月上旬頃 |
八方池山荘~黒菱平(鎌池) | 10月上旬~中旬頃 |
うさぎ平~ゴンドラリフト八方駅 | 10月中旬~下旬頃 |
【備考】 *その年の気象条件によって変わります。 *天候によっては登山道に雪が積もる場合があります。 *初心者の方は降雪・積雪時の登山をお控えください。 |
高い空と凛とした空気の秋は、紅葉が彩る山岳風景を楽しめます。
八方池周辺では、例年「9月下旬〜10月上旬頃」が見頃です。
八方池付近から八方池山荘、黒菱平、うさぎ平と見頃の時期がずれるので約1ヶ月近くオレンジや赤に彩る紅葉が見れます。
10月以降は白馬連峰に冠雪があれば、紅葉と雪景色の素晴らしい絶景トレッキングを満喫できますよ!
●残雪の八方池
→「6月」
冬から5月頃まで雪で覆われていた、八方池の解氷が始まる時期。
残雪の山々や八方池を望み、ユキワリソウなどの高山植物・草木も芽吹く頃です。
6月からは「八方アルペンライン」の営業も開始します。
雪が木道などに残っていて危険な場合は、木道ルートは閉鎖となります。
特に6月初旬は、「八方アルペンライン」の営業日程やルート状況(軽アイゼンが必要かどうか?)などをご確認の上、お出かけください。
「八方尾根・八方池」楽しみ方
●「八方尾根・八方池」主な楽しみ方
②高山植物・紅葉などの風景!
③白馬三山を映すリフレクション!
④八方アルペンラインの空中散歩!
⑤ご来光・雲海を望む!
⑥うさぎ平テラスでリゾート気分!
八方池へは、ゴンドラと2つのリフトを乗り継ぐ「八方アルペンライン」が運行しており、標高1,830mの八方池山荘まで約20分の空中散歩を楽しみながらアクセスできます。
(八方アルペンライン リフト)
八方池山荘から八方池までは、「八方尾根自然研究路」と呼ばれるトレッキングコースが整備されており、白馬三山や五竜岳、鹿島槍ヶ岳の北アルプスを間近に望む絶景の山歩きを満喫!
(八方池より望む白馬三山)
夏はコース沿いの高山植物、秋は紅葉を見ながらと季節を感じる風景も素晴らしいです。
また、風のない晴天時に見られる八方池の ” 白馬三山を映す美しいリフレクション “ も見どころのひとつ!
(八方池 夏 美しいリフレクション)
八方池のリフレクションは必ず見れるとは限りませんが、風のない晴天時の午前中に行くのが良いと言われてます。
(八方池 冠雪の白馬連峰リフレクション)
そして、こちらも気象条件次第ですが「ご来光」「雲海」「モルゲンロート」も大地の目覚めや息吹を感じる早朝だけの特別な絶景です!
(ご来光と朝焼け 黒菱平から八方池山荘へ向かうトレッキングコースからの風景)
早朝のご来光や雲海を楽しみたい方は、黒菱駐車場から運行している「黒菱第3ペアリフト」よりアクセスする必要があります。
*「八方アルペンライン」は早朝の運行はありませんのでご注意ください。
八方池へのトレッキングを堪能した後は、「うさぎ平テラス」でのんびりと過ごすのもオススメです。
うさぎ平テラスは、ゴンドラリフト「アダム」の山頂駅併設の施設で屋上にはビーチリゾートを思わせる絶景テラスやサウナ・ジャグジーも体験できます。
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出典:アソビュー 白馬八方尾根 白馬マウンテンビーチ
もちろん、カフェ・レストランもあり登山後に休憩したり、リゾート気分を味わいながら寛いで過ごせます。
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②貸切テントサウナ&ゴンドラ往復&500円分ドリンク券付チケット
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「八方尾根・八方池」トレッキングコース
●地図は「白馬八方尾根 Hakuba Happo-one」様よりご確認ください。
・「整備された木道コース」と「登山道コース」あり。
・「八方アルペンライン」が運行。
*リフト営業期間:例年6月~11月初旬頃
↓↓↓(乗車時間 約20分)
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・八方池山荘
*標高:1,830m
*「整備された木道コース」「登山道コース」分岐あり。
↓↓↓(約1時間)
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・トイレあり
*トイレは例年「6月中旬〜10月中旬頃」まで利用可能。
*「木道コース」「登山コース」が合流し一本道になります。
*近くに「第2ケルン(標高:2,005m)」あり。
↓↓↓(約30分)
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・八方池
*標高:2,060m
*途中「八方ケルン」を通過します。
*「第3ケルン(標高:2,080m)」から八方池全体を見渡せます。
八方池山荘からトレッキングをスタートする八方尾根自然研究路は、「整備された木道コース」と岩がゴロゴロした急傾斜の「登山道コース」があります。
初心者の方におすすめなのは、歩きやすく傾斜も比較的緩やかな「木道コース」です。
(八方尾根 歩きやすい木道)
傾斜が緩やかな分、八方池までは1時間30分ほど歩きます。
一方、岩がゴロゴロした「登山道コース」は急傾斜を登っていくので1時間ほどで八方池に到着。
左:岩がゴロゴロした登山道 / 右:石神井ケルンから八方山荘を望む |
登山道は滑りやすい蛇紋岩がゴロゴロしているので、登りで利用して下りは木道コースで帰ってくるのが良いですよ。
八方池は、ぐるりと一周歩けるのでお気に入りの絶景スポットを探してみてくださいね。
また、第3ケルンからは八方池全体を見渡せます。
●「八方アルペンライン」の運行時間・料金などは公式サイトよりご確認ください。
八方アルペンライン | 白馬八方尾根スキー場 (happo-one.jp)
・黒菱リフト早朝運行あり。
・ご来光・雲海・モルゲンロート観賞に便利。
*リフト営業期間:例年 7月~10月中旬頃
*黒菱林道は大型車の通行不可。
*黒菱駐車場:200台駐車可能。
↓↓↓(約7分)
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・黒菱平(鎌池湿原)
*標高:1,680m
*雲海デッキ・鎌池湿原あり。
*グラートクワッドリフト(八方アルペンライン)あり。
↓↓↓(約30分)
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・八方池山荘
*ここから先は①と同様。
車で黒菱林道を通り、黒菱駐車場から黒菱第3ペアリフトに乗車し黒菱平へアクセスするコースです。
左:八方尾根 黒菱平 / 右:白馬三山と鎌池湿原 |
こちらは、早朝から登山を開始したい方やご来光・雲海・モルゲンロート観賞に適しています。
八方アルペンラインは早朝運行がなく、どんなに早くても始発は夏の週末・お盆の「6時30分頃」からです。
一方、夏季の黒菱リフトの週末・お盆は「4時30分頃」から始発が運行します。
*秋も「5時頃」より早朝運行あり。
黒菱平から八方池山荘へはトレッキングコースが整備されており、早朝の場合は徒歩で向かい、八方アルペンラインが運行している時間帯ならグラートクワッドリフトでも行けます。
また、黒菱林道は大型車通行不可の ” 急峻・急カーブ・狭幅 “ となっているので運転にはお気をつけください。
●「黒菱リフト」の運行時間・料金などは公式サイトよりご確認ください。
黒菱スカイライン リフト運行情報 | 白馬八方尾根スキー場 (happo-one.jp)
「八方尾根・八方池」服装・気温について
(朝の八方池)
八方尾根・八方池へは「トレッキングに適した服装」でお出かけください。
●トレッキングに適した服装とは?
・脱着しやすいレイヤリングを意識する。
・靴はトレッキングシューズ。
・レインウェアは必須。
肌に直接触れるインナーは、汗冷えを防ぐ為に吸水速乾のスポーツタイプのものを着用してください。
綿素材のものは、汗をかいた時に乾きづらく重くなるのでトレッキングの服装には適していません。
また、標高2,000mを越える八方池周辺の気温は「10〜12℃ほど」下界より低くなるとお考えください。
*標高が100m上がると0.6℃気温が下がります。
ちなみに、白馬村の標高は約700mで都心などの平野部に比べると計算上「4.2℃」低くなります。
そして、八方尾根トレッキング時は標高差による気温の変化にも対応できるように ” レイヤリングを意識 ” して服装を選ぶ必要があります。
夏でもウィンドブレーカーや長袖シャツ、秋の早朝や天候によってはフリース、薄手のダウンなどの防寒着があると良いでしょう。
山の天候は変わりやすいのでレインウェアは必ずお持ちください。
帽子などの日焼け対策や虫除け、行動食なども忘れずに。
「ゴミは持ち帰る」「ペット同伴NG」「動植物の採取NG」などの基本的なマナーを守ってトレッキングを楽しみましょう。
*八方池より上部の唐松岳へ行かれる場合、しっかりとした登山装備や登山届の提出が必要です。
●初心者の方で「ハイキングに適した服装」について詳細を知りたい場合は以下のサイトも参考にしてみてくださいね。
「八方尾根・八方池」ツアー情報
ここでは旅行会社が企画している「八方尾根・八方池」ツアー情報をピックアップしてご案内いたします。
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「八方尾根・八方池」まとめ
今回は、「八方尾根・八方池」のおすすめ登山時期・コースから特徴、楽しみ方、服装、ツアー・周辺の温泉宿情報までご案内いたしました。
①「八方尾根・八方池」特徴は?
②「八方尾根・八方池」おすすめ登山時期
③「八方尾根・八方池」楽しみ方
④「八方尾根・八方池」トレッキングコース
⑤「八方尾根・八方池」服装・気温について
⑥「八方尾根・八方池」ツアー情報
⑦「八方尾根・八方池」周辺の温泉宿
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